市長コラム

 市長が市政などに関する思いをつづった「市長コラム」を、広報ひらつか第3金曜日号に掲載しています。
 広報ひらつかに掲載した「市長コラム」の内容をご紹介します。

令和4年(2022年)6月

愛着や誇りにつなげる

  • 手作りの甲冑 甲冑は岡崎公民館で6月末まで展示中
 旧暦5月28日(今年は6月26日)に降る雨は「虎が雨」と言い、俳句で夏の季語になっています。この日は『曽我物語』で知られる曽我十郎祐成(すけなり)・五郎時致(ときむね)兄弟による父の仇(あだ)討ちの日。十郎の思い人で平塚生まれの虎女(とらじょ)が、彼の死を知り、流す涙が雨となったとの言い伝えがあります。

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をきっかけに、幕府草創期の人物や史跡などが注目されています。平塚市では、博物館のYouTube公式チャンネル「鎌倉殿と平塚の七人」で、ゆかりの人物を順次紹介しています。

 5月から配信中の第5回「虎女」は「平塚の歴史の中で最も有名な女性といえば虎女」と始まります。日本三大仇討ちの一つとされる曽我兄弟の仇討ちは、源頼朝が征夷大将軍となった翌年(1193年)の出来事です。虎女は兄弟の死後、19歳で出家し64歳で亡くなるまで諸国を巡り、兄弟を弔い続けます。「曽我物語」は彼女の大往生をもって幕を閉じますが、艱難(かんなん)辛苦を乗り越え本懐(ほんかい)を遂げた姿や、悲しい恋の結末が人々の心を打ったのでしょう。物語は広く語られ、虎女や兄弟の史跡や伝説は、東北から九州にまであるそうです。

 虎女や曽我兄弟にまつわる史跡や伝説は、市内にも残っています。山下地区には、虎女の生家とされる「山下長者屋敷跡」や、虎女が十郎への追慕の情を断つために文を燃やした「文塚跡(ふみつかあと)」、湘南平には「曽我十郎の硯(すずり)水」と言われる池などがあります。

 本年度、各地区公民館では、ドラマにちなんだ史跡巡りや歴史講座などを開いています。また、ドラマで脇を固める武将、岡崎四郎義実(よしざね)の長男、佐奈田与一義忠(よしただ)を冠した「与一の郷(さと)づくりの会」は、手作りの甲冑(かっちゅう)を巡回展示しています。同会代表の陶山豊彦さん(写真)は「当時活躍した平塚の武士を地域の人に知ってもらいたい」と語ります。

 こうした取り組みをふるさとへの愛着や誇りにつなげていきたいと願っています。
 

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