市長コラム

　コロナ禍の地域活動の自粛や制限は、多方面に影響を与えました。フレイル（高齢者の筋力や心身の活力低下）も、その一つです。

　かむ力・飲み込む力などの口腔機能が低下することを、オーラルフレイルと言います。平塚市では、新型コロナ流行前からオーラルフレイルに着目し、コロナ禍でもフレイル予防の取り組みを継続しました。フレイル予防講座受講後のアンケートでは「食材を大きめに切る」「加熱時間を短くする」「水分を少なめにする」などの工夫をしている、との声が聞かれました。

　令和4年には、地域のフレイル対策に役立てるため、東京大学高齢社会総合研究機構と協定を結び、助言や調査結果の分析を担っていただいています。栄養・運動・社会参加というフレイル予防の三本柱、特にオーラルフレイルを軸にした取り組みは、全国的にも珍しく、注目されています。

　この事業を支えているのは、フレイルサポーター養成講座を受講した市民ボランティア約90人や地域福祉に携わる皆さまの力です。昨年度は24回の予防教室に延べ265人が参加しました。また、フレイルチェックの調査は年45回、参加者は延べ500人以上になりました。

　本市の高齢化率（65歳以上の方の割合）は約29％で、健康長寿と介護予防は重要な課題です。高齢者が安心していきいきと自分らしく暮らせるよう、引き続き、フレイル対策事業を積極的に進めます。今年も各地区でフレイルの予防教室を開きます。ご自身の健康を守り続けるための一歩を踏み出してみませんか。

（写真は、オーラルフレイル予防教室の滑舌測定の様子）