ダンボール造形作家・玉田多紀(1983-)の個展。​関東地方の公立美術館では初の個展となる本展では、古紙ダンボールを使用し、生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品130点を展示します。
 
玉田多紀さんの近影 玉田多紀

概要

造形作家 玉田多紀 ダンボール物語
  • 会期   2023年6月24日(土曜日)~9月10日(日曜日) 
  • 開催日数 68日
  • 休館日  毎週月曜日(ただし、7月17日(月・祝)は開館)、7月18日
  • 開館時間 9時30分~17時(入場は16時30分まで)
  • 主催   平塚市美術館
  • 協賛   神奈川中央交通株式会社
  • 助成   公益財団法人朝日新聞文化財団
  • 会場   平塚市美術館 展示室1
  • 観覧料  一般700円(560円)、高大生500円(400円)
※( )内は団体料金
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳の交付をうけた方と付添1名は無料
※65歳以上で、平塚市民の方は無料、市外在住者は団体料金

担当 勝山滋(当館学芸担当長)、安部沙耶香(当館学芸員)

詳細

 玉田多紀(たまだたき、1983年兵庫県生)は、多摩美術大学造形表現学部造形学科卒業後、古紙ダンボールを使用し、生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品を制作しています。国内外の展覧会やウィンドウディスプレイ、TVメディアや動画配信、ワークショップなど幅広く活動しています。
 SDGsが社会のテーマになっている昨今、ダンボールはリサイクルが100%可能な優れた素材として注目を集めています。古紙ダンボールの強度や柔軟性に魅了され、作家は15年以上も前からダンボールを素材とした立体作品を制作しています。その制作方法は特徴的で、ダンボールをそのまま使うのではなく、パルプにまで還元し粘土のようにした上で造形していきます。本来であれば捨てられてしまうはずの古紙ダンボールを作品として甦らせ、命を吹き込んでいくのです。また、素材感を損なわないように着彩はせず、ダンボールの色味を活かしています。モチーフとなるのは恐竜やゾウ、キリンやオランウータン、クジラなど様々ないきものです。
 近年では絶滅危惧種をモチーフとして生態系の環境問題に目を向け、ジェンダーギャップなど現代社会を象徴とする問題を生き物の視点で捉えて表現しています。また、作家は来館者に見るだけでなく、体験しながら鑑賞できる作品作りを心掛けており、特に自身の子育ての経験から0歳から鑑賞できるような仕掛けをしています。
 関東地方の公立美術館で初めての個展となる本展は、陸上から海中まで様々ないきものの作品約130点を展示します。玉田多紀の生命力あふれるダンボールのいきものたちを是非お楽しみください。また、本展を通じて環境問題についても目を向けるきっかけとなりますと幸いです。

展覧会のみどころ

1.関東の公立美術館初の玉田多紀の大個展!
ダンボール造形作家・玉田多紀(1983-兵庫生)は、古紙ダンボールを使用し、生き物の造形美や性質をユニークに捉えた立体作品を制作しています。作家活動を始めてからの15年間で制作された立体作品130点を一堂にご紹介します。そのモチーフは陸のいきものから海のいきものなど多岐にわたります。また、近年、力を入れて制作している絶滅危惧種シリーズの最新作にもご注目ください。

2.あかちゃんからお年寄りまで幅広い世代にお楽しみいただけます!
カエルの立体作品の真似をしてカエルになりきったり、恐竜のタマゴの中に入ったり、体験できる作品もあります。また、会場内のQRコードにアクセスいただくと、ご自身のスマートフォンが音声ガイドのようになります(字幕付き)。見るだけでなく、どなたさまでも楽しむことのできる展覧会です。
※イヤホンをお持ちいただくとガイドが聞きやすくなります
 
3.関連イベント盛りだくさん!
会期中、作家によるアーティストトークやワークショップを実施します。また、会場マップクイズや人気投票、ミニワークショップなどの参加型のミニイベントも多数ご用意しています。ミュージアムホール前やテーマホールなど、無料でご観覧いただけるスペースにも作品を展示しているため、ふらっと立ち寄ってもお楽しみいただけます。

関連事業

玉田多紀のギャラリークルーズ
作家と一緒に展示室をめぐりながら、制作秘話や作品のみどころを紹介するトークイベントです!
  • 日時:6月24日(土曜日)、8月19日(土曜日) 各14時~15時
  • 場所:展示室1
  • 申込不要・要観覧券
玉田多紀のダンボールワークショップ
  • 7月1日(土曜日)、8月26日(土曜日) 各10時~12時/14時~16時
  • 対象・定員:5才~一般 20名(ただし、10才未満は保護者と制作)
  • 事前申込制(詳細は教育プログラムのページをご覧ください)
ミニワークショップ
  • 展覧会会期中の9時30分~16時30分
  • 対象:どなたでも参加できます
  • 定員・参加費:なし
  • 場所:ライトコート
関連動画の上映
  • 展覧会会期中の9時30分~16時30分
  • 場所:ライトコート

玉田多紀のグリーティング
作家に直接会うことができます!
 6月24日(土曜日)10時半~12時、15時半~17時
 6月25日(日曜日)10時半~15時
 7月2日(日曜日)10時~12時
 8月19日(土曜日)10時半~12時、15時半~17時
 8月20日(日曜日)10時半~15時
 8月27日(日曜日)10時~12時

「造形作家 玉田多紀 ダンボール物語」まちなか展示
玉田多紀さんの作品をひらしん平塚文化芸術ホールにて出張展示します。
  • 日時:8月10日(木曜日)~31日(木曜日)9時~22時
  • 休館日:8月21日(月曜日)
  • 場所:ひらしん平塚文化芸術ホール エントランスギャラリー
  • 入場料:無料
  • 協力:ひらしん平塚文化芸術ホール(指定管理者:ひらつか文化パートナーズ)
  詳細はひらしん平塚文化芸術ホールのWEBページをご覧ください。
  


図録兼公式書籍を刊行予定(8月初旬)
ダンボールでできたカエル、両手を挙げて立っている。 《ぼくにwelcome》2015年
ダンボールでできたアンモナイト、地を這っている。 《ネオアンモナイト》2015年
ダンボールでできたオランウータン、小枝の敷物の上に座り、両手を組んでいる。 《自己愛》2018年
ダンボールでできた蓮の花の中に蓮太郎という子供がみえる。 《誕生》2018年
ダンボールでできたサイの頭が壁にかけられていて、角はリースのような造花になっている。 《それを楽しむ》2022年