女子美術大学(相模原)を拠点に制作してきた彫刻家・古井彩夏の個展を開催します。
新作を含む約28 点により、鉄とステンレスの軽やかな表現をお楽しみください。
ぺありんぐ にせんにじゅうにねん 《ペアリング》 2022 年

概要

古井彩夏展 熱を与えた鉄とステンレス

  • 会期   2024年12月7日(土曜日)~2025年4月6日(日曜日)
  • 休館日  月曜日(ただし、1月13日、2月24日は開館)、年末年始(12月29日-1月3日)、1月14日、2月25日
  • 開館時間 9時30分~17時0分
  • 主催   平塚市美術館
  • 会場   平塚市美術館 テーマホール
  • 助成   公益財団法人河野文化財団・公益財団法人朝日新聞文化財団
  • 観覧料  無料

担当:勝山滋(当館館長代理)

詳細

2024 年度平塚市美術館ロビ-展として「古井彩夏展熱を与えた鉄とステンレス」を開催します。
古井は1988年東京都生まれ。2009年、女子美術大学在学中から鉄を素材とした作品を手がけ、2011年の同校立体アート学科卒業に際し、卒業制作が女子美術大学美術館賞を受賞。同年神奈川県展で大賞を受賞。ギャラリーなつか(東京、2012年~)、ガルリアッシュ(東京、2021年~)などでの個展のほか、内外のグループ展、野外彫刻の設置など活躍しています。女子美術大学在学中から鉄を素材とし、鉄板を熱で曲げ、接合して1 つの塊として表現するとともに、その「もの」の存在と展示空間を作品に取り込んでいく造形を意識した制作を行ってきました。2015 年以降の近作ではステンレススチールも素材とし、熱によってゆがむ特性を生かした曲線のシリーズを発表します。

金属は人間社会に密接にかかわってきました。とくに平塚における製造業、産業とも結びつきがあり、近隣には金属を素材とする作家も多く制作活動をしている地域性もあります。
本展は、陽光のそそぐ広いテーマホールを舞台として、新作を含めた約28点によって鉄やステンレスのイメージとは相反する軽やかさとともに、繰り返されるリズムが作りだす有機的なフォルムをお楽しみいただきます。

展覧会のみどころ

1.女子美術大学(相模原)を拠点に制作した現代彫刻家の公立美術館初の大規模な個展

金属彫刻家・古井彩夏(1988-東京生) は、自らの日常を取り巻くものや出来事をモチーフにしながら鉄やステンレスの特性を活かして一つのフォルムをあらわしています。本展では、作家活動を始めてからの14年間で制作された立体作品約28点を紹介します。鉄を素材としてパーツを組み合わせて接合し、磨き落として熱をかけるといった多くの手わざをかける作品にはじまり、熱を帯びゆがむ曲線を活かした近作にもご注目ください。

2.金属を熱で曲げ、生じた歪みの自由な曲線表現

人間社会に密接にかかわるとともに、ものづくりの盛んな平塚周辺とも近しい鉄やステンレスの様々な表情を再発見することができる展覧会です。作家は、板状の金属を細かく線状に切り、熱によって自然の曲線を描く特性を活かして制作することで、重いイメージのある鉄やステンレスを軽やかな表現へと昇華させています。さまざまな素材の表情をお楽しみください。

3.高さ11mのテーマホールを始め、各所で変わりゆく陽光に生え、床や壁に生じる影など変化にとんだ楽しい世界観

平塚市美術館のロビー展は、今回18回目となります。展示室と異なり、広いテーマホールは時間によって陽光が変化し、作品はさまざまな表情を見せてくれます。ふだんと異なる彫刻作品の置かれた空間の世界観をぜひご堪能ください。

関連事業

アーティストトーク

日時:2024年12月7日(土曜日)、2025年2月23日(日曜日) 各14時0分~14時30分
場所:テーマホール
※申込不要、無料

 

ワークショップ

講師:古井彩夏(彫刻家)
場所:アトリエB ※事前申込制。詳細は決定次第、当ウェブに掲載予定。

「ながーい紙テープを作って工作しよう!」

日程:2024年12月15日(日曜日)
対象:5 歳~一般

「ステンレスを磨いて曲げてバングルを作ろう!」

日程:2025年3月22日(土曜日)
対象:中学生~一般

出品作品

Jet 2012年 《Jet》2012年
Navigation 2015年 《Navigation》2015年
映像 2018年 《映像》2018年
房 2019年 《房》2019年