中村正義(1924-1977)は、戦後日本画壇において特異な存在として多彩で精力的な活動を展開しました。本展では正義の代表作を中心に構成するほか、関連作家の作品もあわせて紹介し、映画や舞台美術、住宅デザインや写楽研究などの多様な活動にも焦点をあて、およそ120点の作品で画業を辿り、あらためて正義の実像に迫ります。

概要
生誕100年 中村正義展-その熱と渦-
- 会期 2025年4月12日(土曜日)~5月18日(日曜日)※会期中、一部展示替えを行います。
- 休館日 月曜日(ただし5月5日は開館)、5月7日
- 開館時間 9時30分~17時0分(入場は16時30分まで)
- 主催 平塚市美術館、東京新聞
- 協力 中村正義の美術館
- 協賛 神奈川中央交通株式会社
- 会場 平塚市美術館 展示室
- 観覧料 一般 1,000円(800円)/高大生 500円(400円)/中学生以下無料
※毎週土曜日は高校生無料
※各種障がい者手帳の交付を受けた方と付添1名は無料
※65歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)
担当:勝山滋(当館館長代理)
詳細
日本画壇の風雲児と呼ばれ、日本画の革新を志し、その枠を超えた幅広い活躍で知られた中村正義(なかむらまさよし、1924‐1977)。
中村正義は愛知県豊橋市生まれ。戦後1946年には中村岳陵に師事し日展の画家として前途を嘱望されましたが、1961年には日展を脱退し、川崎市細山に転居。以後1977年に52歳で没するまでの16年間を川崎に住みました。
60年代以降の社会的な激動のなかで現代人の感覚と乖離し旧態依然とした日本画壇に抗し、日本画の概念をくつがえすような前衛的な画風を展開した特異な画家とみなされてきました。一方、同時代の作家たちとも深く関わり評論家針生一郎とともに立ち上げた「日本画研究会」、異色の美術グループ「人人会」の創立、多様なジャンルの表現者を取り込んだ芸術祭「東京展」の構想へと至るとともに、病没した三上誠の回顧展の開催や若い画家たちへの支援を行うなど、ジャンルや世代を超えて「つながる」ことを重視した作家でした。自身も道半ばの52歳で病没しましたが、その短い生涯はさまざまな人間に影響を及ぼすとともに、そうした交流によって正義の実に多様な画業の変遷が生み出されました。
本展では正義の代表作を中心に構成するほか、その深い交友関係にも着目し、関連作家の作品もあわせて紹介し、映画や舞台美術、住宅デザインや写楽研究などの多様な活動にも焦点をあてることで、あらためて正義の実像に迫ります。
中村正義は愛知県豊橋市生まれ。戦後1946年には中村岳陵に師事し日展の画家として前途を嘱望されましたが、1961年には日展を脱退し、川崎市細山に転居。以後1977年に52歳で没するまでの16年間を川崎に住みました。
60年代以降の社会的な激動のなかで現代人の感覚と乖離し旧態依然とした日本画壇に抗し、日本画の概念をくつがえすような前衛的な画風を展開した特異な画家とみなされてきました。一方、同時代の作家たちとも深く関わり評論家針生一郎とともに立ち上げた「日本画研究会」、異色の美術グループ「人人会」の創立、多様なジャンルの表現者を取り込んだ芸術祭「東京展」の構想へと至るとともに、病没した三上誠の回顧展の開催や若い画家たちへの支援を行うなど、ジャンルや世代を超えて「つながる」ことを重視した作家でした。自身も道半ばの52歳で病没しましたが、その短い生涯はさまざまな人間に影響を及ぼすとともに、そうした交流によって正義の実に多様な画業の変遷が生み出されました。
本展では正義の代表作を中心に構成するほか、その深い交友関係にも着目し、関連作家の作品もあわせて紹介し、映画や舞台美術、住宅デザインや写楽研究などの多様な活動にも焦点をあてることで、あらためて正義の実像に迫ります。
展覧会のみどころ
1.県内にゆかりのある異才・中村正義の生誕100年記念展
本展は「異端」「鬼才」「風雲児」などと呼ばれ、旧態依然とした戦後の日本画壇に鮮烈な作品を遺した中村正義の生誕100年を記念した展覧会です。関東圏では14年ぶり、ゆかりの地である神奈川県内では神奈川県立近代美術館での「反骨、奔放の偉材 中村正義」展(1983年)以来42年ぶりとなる公立美術館での本格的な中村正義展となります。
2.浮き彫りとなる新たな中村正義像
過去の中村正義展と異なり、師・中村岳陵や同時代の髙山辰雄ほか関連作家の作品をあわせて展示することにより、「異端」と称される中村正義の作風を戦後日本画の流れのなかに位置づけ、新たな正義像を示します。
3.多面的活動の紹介
正義の代表作に加え、貴重な出品作の下絵や画材、各地に残した緞帳下図などにより様々な分野で活動した作家の歩みを振り返ります。あわせて日本画家、内田あぐり氏によるギャラリートークや関連映像(「父をめぐる旅」)の上映などにより画家・中村正義を深堀りします。
関連事業
ギャラリートーク 内田あぐり(日本画家)×勝山滋(当館館長代理)
日時:4月19日(土曜日) 14時0分~15時0分
場所:展示室2
※申込不要、要観覧券
当館学芸員によるギャラリートーク
日時:5月6日(火曜日・祝) 14時0分~14時40分
場所:展示室2
※申込不要、要観覧券
ドキュメンタリー映画「父をめぐる旅」
日時:会期中の10時0分~、14時0分~上映時間:102分
場所:ミュージアムホール(都合により上映場所が変更される場合があります。詳細はお問合せください。)
※申込不要、観覧無料
出品作品


