原良介は1975年平塚生まれ。油絵具による一層のみの筆致で対象を的確に捉えた、明るい色の光あふれる風景を特徴としています。本展では、一貫して追求している光の表現を中心に、近年レジデンスやアートプロジェクトでの制作も精力的に行い、多彩な広がりを見せている原良介の現在地点までを紹介します。平塚の子どもたちを対象に身近な自然との接点を表現するワークショップを行います。
《サギ子》2024年 作家蔵

概要

原良介 サギ子とフナ子 光のそばで

  • 会期   2025年6月14日(土曜日)~9月15日(月曜日・祝)
  • 休館日  月曜日(ただし7月21日、8月11日は開館)7月22日(火曜日)、8月12日(火曜日)
  • 開館時間 9時30分~17時0分(入場は16時30分まで)
  • 主催   平塚市美術館
  • 会場   平塚市美術館 展示室2
  • 観覧料  一般 900円(720円)/高大生 500円(400円)/中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※毎週土曜日は高校生無料
※各種障がい者手帳の交付を受けた方と付添1名は無料
※65歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)

担当:江口恒明(当館学芸員)、浅野泰恵子(当館会計年度任用職員)

詳細

原良介は1975年神奈川県平塚市生まれ、2002年多摩美術大学大学院在学中に第2回トーキョーワンダーウォール展にて大賞を受賞するなど早くから注目をあつめました。2009年には東京オペラシティアートギャラリーで「projectN 36 原良介」、2012年には茅ヶ崎市美術館で「原良介 絵画への小径」が開催され、その後も個展等での活動を続けています。

原の作品は油絵具による一層のみの筆致で対象を的確に捉えた、明るい色の光あふれる風景を特徴としています。活動をはじめた当初の一連の作品では、ピンホールカメラの画像のように、動くものの形があいまいになったり消えたりするさまを、鑑賞する人の視線の動きに重ねて描いています。近年では、風景を画面の中に置かれた物体のように描いたり、それを画面から取り出して立体作品として表現することもあります。いずれも実在していても捉えられないもの、あり得たかもしれない現実に光を当てて、絵画空間を作り出す試みといえるでしょう。
さらに、描かれる風景は人と自然との接点となる身近な場面であり、それらは軽快な筆致と明るい色とあいまって作家のあたたかな眼差しも感じさせ、見る人にとってどこかで出会った風景を想起させます。

本展では、一貫して追求している光の表現を中心に、近年レジデンスやアートプロジェクトでの制作も精力的におこない、多彩な広がりを見せている原良介の現在地点までを紹介します。また、平塚の子どもたちを対象に身近な自然との接点を表現するワークショップを行います。

見どころ

1.【巧みな筆致】

原の油彩画は基本的に塗り重ねをせず、一層で描かれています。
少ない手数で描く対象のかたち、奥行きや前後関係も見事にとらえています。
大画面の迫力ある筆遣いが魅力です。
 

2.【光と影のあいだ】

風景を画面の中に置かれた物体のように描いたり、さらにそれを画面から取り出して立体作品に表現しています。いわば平面と立体を行き来する作品は、3次元を2次元に表現する絵画の現代的な意味を問うているといえます。
 
 

3.【平塚出身のアーティストの風景】

原の描く風景は自然と人間の接点あるいはその境界をあらわし、多くはフィールドワークをもとに制作されています。平塚出身の画家が子どものころから慣れ親しんだ土地や、何度も取材した場所は、作品を見る人にとってどこかで出会った景色を想起させるものとなっています。

関連事業

アーティストトーク

日時:7月19日(土曜日)、8月24日(日曜日)各日14時0分~14時40分
場所:展示室2(申込不要、要観覧券)
 

ワークショップ「自分のわっかを作ろう」

日時:8月9日(土曜日)、10日(日曜日)、11日(月曜日)10時0分~15時0分
対象:小学生~一般  ※1人1点作品制作を行います。
内容:夏のワークショップ祭り「美術館であそぼ!」内のイベント。新聞紙で輪を作り、
   自身の髪や服の色を取り出して輪に着色し、実際に回して遊べる作品を作ります。

出品作品

《フナ子》2024年 作家蔵
《by a forest》2008年 作家蔵
《landscape》2008年 作家蔵
《three moons》2012年 作家蔵
《ぬけ》2014年 個人蔵
《神宮の杜》2020年 作家蔵