日本の彫刻界における著名な作家のひとり柳原義達の業績を、代表的な彫刻および素描約90 点により紹介します。

概要

《風の中の鴉》1984年 三重県立美術館蔵

開館30周年記念 柳原義達展

  • 会期 2021年4月24日(土曜日)~6月13日(日曜日)
  • 開館時間 9時30分~17時0分(入場は16時30分 まで)
  • 休館日 月曜日(5月3日は開館)、5月6日(木曜日)
  • 観覧料金 一般 400(320)円/高大生 200(160)円
※( ) 内は20名以上の団体料金
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳の交付を受けた方及び付添1名は無料
※65歳以上の平塚市民は無料、市外在住者は団体料金(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)
※観覧料金は、本展覧会のみ観覧できる料金です。同時開催の「川瀬巴水展」の観覧券(一般800円)で、本展覧会も観覧できます。
  • 主催 平塚市美術館
  • 共催 三重県立美術館
  • 助成 公益財団法人三重県立美術館協力会
  • 柳原操基金・柳原義達顕彰事業
 開催日数 44日
 担当学芸員 勝山滋(当館学芸員)、品川ちひろ(当館会計年度パートタイム任用職員)

詳細

《坐る》1960年 三重県立美術館蔵
 このたび平塚市美術館では、日本の彫刻界を代表する作家のひとりである、柳原義達(1910-2004)の業績を紹介します。柳原は戦前よりロダン、ブールデルの影響により彫刻制作を始めます。戦争を経て、戦後、1953年に渡仏し、新たな具象彫刻を展開します。その緊張感に満ちた造形性は、対象の本質を表し、具象彫刻の可能性を押し開きました。加えて、ヒューマニズムに裏打ちされた感覚により、生命感あふれる作品を発表し、戦後日本の彫刻界に大きな足跡を残しました。
 「生命の力の移動を見、その移動によってプランが構成される芸術は、絵では出来ない。ただ一つの彫刻の世界、特に具象の作家の仕事ではなかろうか。
 私はこのことこそ、唯一の純粋な彫刻の美であり、具象の美しさであると信じている。私は少しでも絵画的表現の戦前の仕事から、彫刻の本質とは何かの困難な道を歩みたい。」(『柳原義達美術論集孤独なる彫刻』)と柳原は記しています。
 本展は、代表的な彫刻および素描により柳原彫刻の魅力を紹介するものです。

関連事業

《風の中の鴉》1982年 三重県立美術館蔵

担当学芸員によるギャラリートーク(中止)

日時 5月15日(土曜日)、6月12日(土曜日) 14時~14時30分
場所 展示室1
※申込不要、要観覧券

※今般の国内、県内の社会情勢をかんがみ、ギャラリートークは中止いたします。
 

関連書籍

柳原義達展関連書籍表紙
『孤独なる彫刻 造形への道標(みちしるべ)』  ※関連書籍をお求めの方は、『刊行物』をご覧ください。なお、本書籍は、一般書店でも販売しております。

【内容】

1
オーギュスト・ロダン pp.6-25
アントワーヌ・ブールデル pp.26-31
ヘンリー・ムーア pp.32-39
アルベルト・ジャコメッティ pp.40-59
マリーニ、ファッチーニ、グレコ pp.60-65
エミリオ・グレコ pp.66-71
ジャコモ・マンズー pp.72-83
マリノ・マリーニ pp.84-95
高村光太郎 pp.96-101
土方定一 pp102-105
パリ=ローマ24時間 pp.106-111
鳩によせて pp.112-113
カラス pp.114-121
孤独なる彫刻 pp.122-129
戦後の私の彫刻観 pp.130-135
私と彫刻 pp.136-152

2
無題(『読売・現代彫刻10人展』図録より) pp.156-157
生命の動勢《ブーシェ》 pp.158-163
孤独な芸術家・舟越 pp.164-167
孤独に生きる pp.168-171
心の安らぎ大和 pp.172-174

3
対談 柳原義達 vs 矢内原伊作 pp.176-188

柳原義達年譜 pp.190-192
出典一覧 p.193

B5版、全196頁

著者 柳原義達
監修 土方明司(平塚市美術館館長代理)、江尻潔(足利市立美術館次長)
編集 品川ちひろ(平塚市美術館学芸員)、山下彩華(足利市立美術館学芸員)、庄司美樹(株式会社アルテヴァン)
協力・画像提供 公益財団法人 三重県立美術館協力会
発行日 2020年4月1日
発行 株式会社アルテヴァン

価格 1,300円