市長コラム

　「サイレント・マジョリティー」という言葉をご存じですか。訳すと「静かな多数派」。多くの人は声高に意見を表明しないため見過ごされがちですが、注意深く耳を傾けるべきだとの含みがあります。サイレント・マジョリティーの意見を市政に反映させることが、より生活しやすく、持続可能なまちづくりにつながると私は考えています。

　そこで、市長に就任してからこれまでに、市民の皆さんとの対話集会「ほっとミーティング」を55回、開きました。これまで、シニア層を中心とした地域活動に携わる方、子育て中の女性、地元の東海大学や神奈川大学の学生たちなどと意見を交わしてきました。話し合いの中で頂いた意見から、政策へ発展したものもあります。

　市長3期目で最初のほっとミーティングをこの10月に開くにあたり、新しい試みとして、無作為に抽出した25～29歳の方を対象としました。この年代を選んだ理由は、4月の統一地方選挙での投票率が低かったから。また、若いサイレント・マジョリティーの声を引き出したい。そして、将来、社会を支える若者が、平塚市を選び、住み続けてもらうには、彼らが求めるまちの姿を把握しておくことが必要だと考えたからです。

　「世間のイメージよりも平塚は治安が良い。魅力や住みやすさをもっと広くアピールすべきだ」。市外から移り住んだ若者が見る”平塚“像は新鮮でした。安心安全の施策の成果が認められつつあることを直接知り、今後の励みにもなりました。ミーティング終了後も「平塚を身近に考えられた」「また参加したい」など前向きな感想が届き、うれしく思いました。

　開催を通して、ほっとミーティングは市民の皆さんとまちの課題を解決し、魅力をさらに高める大切な取り組みだと改めて感じました。参加対象や方法などをさらに工夫し、これからも続けていきたいと考えています。