当館のコレクションから、約30点の現代日本画を紹介します。
斉藤典彦《MORI O OMOU-3》1991年、当館寄託

企画概要

 平塚市美術館では、1991年の開館にさきだち、湘南ゆかりの美術作家の作品、日本の近現代美術を中心に収集活動を行う方針が定められ、加えて2005年からは現代の日本画を紹介する展覧会に力をいれてきました。伝統的な日本画の枠にはまらない作品が次々と生み出された状況をふまえつつ、当館における現代日本画の展覧会、収集活動は展開してきました。本展では当館のコレクションから、日本画表現を革新した作家たちの作品を紹介します。
 伊藤彬(1940-)、中島千波(1945-)、中野嘉之(1946-)は、所属団体を越えた活動を展開した「横の会」の結成に参加し、日本画の革新を試みます。その後、内田あぐり(1949-)は歪み、断片化する女性の身体を描き、重層的な画面をつくり出しました。聖書や神話に取材して二元論的世界を表現する山本直彰(1950-)、樹や水といった霊的な自然存在を主題とする斉藤典彦(1957-)、仏教の神話を題材とし焼成した木材に夢幻的なイメージを刻印する岡村桂三郎(1958-)、キリスト教と信仰をモチーフとして日本画を制作するマコトフジムラ(1960-)らは、日本画における人間と自然、あるいは聖なるものとの関係を提示しています。さらに、現代日本のいびつな都市風景を山水に見立てる三瀬夏之介(1973-)の作品に加え、独自の神話世界を表現した瓜南(かなん)直子(1955-2012)の表現も取り上げます。
 現代の日本画表現には、西洋画との差異化の必要性から生まれたアニミズム(自然信仰)のテーマが通底している一方で、西洋美術史のモチーフを柔軟に取り入れ引用する身振りがかいま見られ、そのあり方は一様ではありません。本展がそうした多様な表現の一端にふれる機会になれば幸いです。

開催概要

現代日本画
コレクションのあゆみ

2022年10月29日(土曜日)~2023年2月19日(日曜日)
9時30分~17時(入場は16時30分まで)
休館日 月曜日(ただし、1月9日は開館)、
年末年始(12月29日(木曜日)~1月3日(火曜日))、1月10日(火曜日)
※展示替のため休室:12月27日(火曜日)、28日(水曜日)

観覧料金 一般200円/高大生100円
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添1名は無料
※65歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は3割引(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)

主催 平塚市美術館
開催日数 91日

担当 桑名真吾(当館学芸員)

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関連事業

担当学芸員によるギャラリートーク
日時:12月17日(土曜日)、2023年1月29日(日曜日) 各14時~14時30分
場所:展示室2
※申込不要、要観覧券
※新型コロナウィルス感染症の状況により実施できない場合があります。

草薙奈津子(当館特別館長)講演会
「思い出すこと 2004年-2023年」
日時:2023年1月9日(月・祝)14時-15時
場所:ミュージアムホール
※要事前申込
※新型コロナウィルス感染症の状況により実施できない場合があります。
伊藤彬《月のうてな》1986年、当館蔵
瓜南直子《兎神国夜来之図》2000年、当館蔵
工藤甲人《わが壁に》1985年、当館蔵
三瀬夏之介《奇景》2005年(部分)、当館寄託