松本喜三郎らの生人形、高橋由一の油彩画を導入部として、現代の絵画と彫刻における写実表現を検証する展覧会です

概要

◆展覧会名 市制90周年記念 リアル(写実)のゆくえ 現代の作家たち 生きること、写すこと

◆会期 2022年4月9日(土曜日)~6月5日(日曜日)
※会期中展示替えがあります(前期:4月9日~5月8日、後期:5月10日~6月5日)

◆開館時間 9時30分 ~17時(入場は16時30分 まで)

◆休館日 月曜日

◆観覧料金 一般900円/高大生500円
※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料
※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添1 名は無料
※65歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は2割引 (年齢・住所を確認できるものをご提示ください)


◆主催 平塚市美術館

◆協賛 神奈川中央交通株式会社

◆ 開催日数  50日
 

 担当 勝山滋(当館学芸担当長)、品川ちひろ(当館会計年度任用職員)

詳細

幕末から明治初めに流行った生人形の迫真の技は、当時の日本人はもとより、来日した西洋人にも大きな衝撃を与えました。明治20年代に滞日した人類学者シュトラッツは「解剖学の知識もなしに強い迫真性をもって模写することができる」生人形師の力量に感嘆しました。また、彼は、生人形が理想化も図式化もされず、ありのままの姿であることにも着目しています。
高村光雲も幼い時に松本喜三郎の生人形の見世物を見ています。後年、彼は西洋由来ではない写実を気付かせた存在として、松本喜三郎をはじめとする生人形師を敬慕しています。
ここで重要なのは、写実表現はそもそもこの国にあったということです。遡れば江戸期の自在置物、さらには鎌倉時代の仏像に行きつきます。写実は洋の東西を問わず追求されてきたと見るべきでしょう。日本は近代化する過程において西洋由来の新たな写実表現を受容しました。これは既存の写実の方法や感性を新たに上書きする、もしくは書き替える作業であったことと思われます。
今また写実ブームが到来しています。現代の作家が手がけた作品にも先祖返り的な要素が見受けられます。これは旧来の伝統的な写実が息づいている証です。連綿と続く写実の流れが、いわば間欠泉の様に、息吹となって彼らの作品を介して噴出しているのです。また、彼らの作品の中には近代的なものと土着的なものが拮抗し、新たな写実を模索している姿勢も見出せます。このような傾向は、高橋由一まで遡ることができます。
本展は、松本喜三郎らの生人形、高橋由一の油彩画を導入部として、現代の絵画と彫刻における写実表現を検証するものです。西洋の文脈のみではとらえきれない日本の「写実」が如何なるものなのか、またどのように生まれたのか、その手がかりを探ります。

出品作家作品

【序章】松本喜三郎、安本亀八、高橋由一、室江吉兵衛、室江宗智、高村光雲、関義平、須賀松園(初代)、平櫛田中
【彫刻】佐藤洋二、前原冬樹、若宮隆志、小谷元彦、橋本雅也、満田晴穂、中谷ミチコ、本郷真也、上原浩子、七搦綾乃
【絵画】本田健、深堀隆介、水野暁、安藤正子、秋山泉、牧田愛、横山奈美

※安本亀八《相撲生人形》(1890年、熊本市現代美術館蔵)は下記のように展示されます
 前期:パーツ(野見宿禰の右腕と頭、当麻蹶速の左足)のみの展示
 後期:組み立てた状態で展示



出品作品の詳細は下記をご覧ください。
リアル(写実)のゆくえ展出品目録(PDFファイル:539KB)

関連事業

担当学芸員によるギャラリートーク

日時:4月30日(土曜日)・5月28日(土曜日) 各日14時~14時40分
場所:展示室1

※申込不要、要観覧券
※新型コロナウィルス感染症の状況により実施できない場合があります
 
安本亀八《相撲生人形》1890年、熊本市現代美術館蔵 ※会期中展示替えがあります
高橋由一《豆腐》1877年、金刀比羅宮蔵
本田健《夏草(芝棟の土)》2021年、作家蔵
中谷ミチコ《夜を固める3(雨)》2019年、作家蔵
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