ひらつかはぐくみ葉酸(ようさん)プロジェクト

最終更新日 : 2022年3月22日

 平塚市では「選ばれるまち」「住み続けるまち」を2016年からの総合計画~ひらつかNEXT~に定め、「子育てするなら平塚で」を掲げ、事業を展開しています。健康課では、元気なお子さんを産むための女性サポートとして、「ひらつかネウボラルームはぐくみ」における栄養指導事業に取り組んでいます。

ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクトとは?

 妊娠前から産後までの女性を対象に、すこやかな妊娠・出産・産後を迎えるために葉酸の適正利用を推進する運動です。このプロジェクトは葉酸がたくさん含まれる葉物野菜といちごの産地であり、「こどもを産み育てやすい環境づくり」を目指す平塚市ならではの取組みです。
 更に、葉酸は貧血を予防し、動脈硬化や認知症、うつのリスクを減らす働きもあるので、年齢や性別に関係なく、健康な身体を育むためにも積極的な摂取をお勧めします。

葉酸の働き

葉酸は水溶性ビタミンB群の一つで、細胞分裂に欠かせない必須栄養素の一つです。
すこやかな妊娠・出産・産後のために 二分脊椎症の予防
低出生体重児・早産・自閉症スペクトラム障害のリスク低減
産後うつのリスク低減
健康増進や未病対策のために 心筋梗塞や脳卒中、認知症のリスク低減

摂取量の目安

妊娠1か月前から妊娠3か月まで サプリメントで摂取(厚労省推奨)
20代 上限900マイクログラム
30歳から69歳 上限1000マイクログラム
主治医から指示されている場合は、指示に従ってください。

葉酸が多く含まれる食品

  • いちご 平塚のいちごの写真
野菜  ほうれん草、アスパラガス、豆苗、ルッコラ、ニラ、水菜、
小松菜、ブロッコリーなど
果物  いちご(平塚のいちごの紹介)、マンゴー、パパイア、
夏みかんなど
その他 納豆、鶏・豚・牛のレバー、焼きのり、玉露など

プレコンセプションケア

プレコンセプションケアとは
 すこやかな妊娠・出産・産後のために、妊娠前からからだの調子を整えることを「プレコンセプションケア」と言います。(プレ=前、コンセプション=受胎、おなかの中に新しい命を授かること)具体的に妊娠を計画している女性だけでなく、すべての妊娠可能年齢の女性とそのパートナーが、いつの日か赤ちゃんが授かり、将来の家族がより健康であることを意識し、行動することを目指します。
 
対象 項目 行動 行動の目的
女性 葉酸
(ようさん)
妊娠を考えたら葉酸サプリメント(1日あたり400マイクログラム)を摂取する。 胎児の先天奇形(二分脊椎症(注釈1)等)を予防する。
女性 やせ ・妊娠前から適正な体重を維持する。
・バランスの良い食生活を心がける。
若い女性や妊婦のやせは、子どもの生活習慣病(注釈2)のリスクを高める。
男性
女性
飲酒 ・ビンジ飲酒(むちゃ飲み)(注釈3)はしない。
・妊娠中や授乳期間は禁酒する。
・急性アルコール中毒から命を守る。
・胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)(注釈4)を予防する。
男性
女性
風疹ワクチン 母子健康手帳で接種歴を確認する。 ・胎児の先天性風疹症候群を予防する。
・予防接種は2回が望ましい。
男性
女性
子宮頸がん
予防
・女性は検診受診、HPV感染の有無を確認する。
・性的行為ではコンドームを使用する。
子宮頸がんの主原因は性感染症。原因のウイルス(HPV)は、性的行為を通じて男性から女性に感染する。
男性
女性
たばこ 喫煙しない 美容の大敵である「たばこ顔」(肌荒れ・しみ・たるみ)や「たばこ病」(がん、循環器疾患、呼吸器疾患)、胎児や乳幼児の発育の妨げの原因となる。
 

【注釈の解説】

  1. 二分脊椎症:胎児の脳や脊髄は受精後28日ころまでに形成される。その頃に葉酸が不足していると、赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管の形成が不十分となり、生まれた子どもに排泄や歩行障がい等が出現する。
  2. 子どもの生活習慣病:生活習慣病(高血圧、糖尿病等)は一般的に40代以降に発症するが、やせの母親から産まれた低出生体重児(2500g未満)はエネルギーをため込みやすく、成人後、一般よりも早く生活習慣病が発症しやすいとされる。
  3. ビンジ飲酒(むちゃ飲み):短時間の多量飲酒のこと。2時間で、男性ではアルコール摂取量50グラム(ビール中ジョッキ2杯半)、女性では40グラム(ビール中ジョッキ2杯)を超える飲み方
  4. 胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD):妊娠中の母親が摂取したアルコールによって、胎児に先天性疾患として出現するさまざまな障害のこと(小頭症、知的障がい、学習障害、発育不全等)。
葉酸サプリメントの重要性
 葉酸は、妊娠初期に、胎児の成長に欠かすことができないビタミンです。
 葉酸が不足すると、先天奇形のリスクが高くなります。
 食事からだけで毎日確実に葉酸を摂ることは大変なので、妊娠を考えたら(妊娠の可能性がある女性は)、プレコンセプションケアとして葉酸サプリメントを必ず摂りましょう。
 これまでの研究によって、プレコンセプションからの葉酸サプリメントの利用が、神経管閉鎖障害(二分脊椎症や無脳症)や先天性心疾患、口蓋裂といった奇形のリスクを減らし、流産や早産、低出生体重児のリスクも減らすことがわかっています。

やせ過ぎに注意し、バランスよく食べましょう
 自己流のダイエットや偏食などで、痩せ過ぎ(低体重)の若年女性が増えています(20代では20%)。
痩せ過ぎの妊婦さんは、早産や低出生体重児のリスクが高くなります。
赤ちゃんの健やかな成長のためには、お母さんの健康が大事です。
最近の研究では、母体の低栄養は、赤ちゃんの将来の生活習慣病の原因になることが示唆されています。
そのため、プレコンセプションケアとして、栄養素のバランスを考えた適切な食事がとても大切です。
具体的には、ビタミンやミネラルの豊富な食材を十分に摂り、良質のたんぱく質や脂質(油)を選びましょう。

栄養成分表示に注目しましょう
 買い物の際には栄養成分表示を見ましょう。ポイントは三大栄養素のタンパク質、脂質、炭水化物(糖質)の量と質(種類)、ビタミンやミネラルの微量必須栄養素、食塩相当量です。

妊娠中と産後の食事

~赤ちゃんとお母さんの健康のための食事~

お母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のために、食事はとても大切です。

特定の料理や食品に偏らないように、いろいろな食材を組み合わせて、バランスの良い食事をとりましょう。
妊娠中期から授乳期は、タンパク質、ビタミン、ミネラルを十分にとりましょう。
鉄やカルシウムといったミネラルが不足しないように注意しましょう。
魚に含まれるEPAやDHAという油は、赤ちゃんの発育に大切です。
特に、ビタミンB群の葉酸は、赤ちゃんの先天奇形、流産・早産、低出生体重児を予防し、お母さんの心の安定にも
役立ちます。葉酸は、食事からだけでは足りないので、サプリメントも利用しましょう。

 

市の取り組み

すべての妊婦さんが、妊娠の1か月前から葉酸サプリメントをとることを目標に取り組みます。
  1. 葉酸サプリメント摂取に関する調査
  2. ネウボラルームはぐくみでの栄養指導
  3. 啓発(ホームページ、チラシ等)
  4. 葉酸が豊富な地場産品の推奨(葉物野菜、イチゴ等)

キックオフトークイベントの開催

テーマ「若い女性にやせすぎは大敵」~すこやかな妊娠と出産の為の正しい知識~

 妊娠前から産後までの栄養サポートを充実させ、すこやかな妊娠・出産・産後を目指して、平塚市では「ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクトキックオフイベント」を開催しました。「若い女性にやせ過ぎは大敵~健やかな妊娠と出産の為の正しい知識~」をテーマにした対談には、医師や湘南ひらつか織り姫がパネリストとして登場し、日ごろの食生活や子どもから高齢者までのライフステージ別に必要な栄養の知識を巡り、意見を交わしました。当日は、60名を超える多くの市民の皆様がご参加くださいました。
 住民の健康づくりのために葉酸の適正摂取を勧めるプロジェクトを実施する自治体はまだ少数で、神奈川県内では初になります。

開催日:平成30年10月23日12時20分から12時50分
場所:平塚市役所本館1階多目的スペース東側
講師:医師 蒲原 聖可(かもはら せいか)さん 
ゲスト:湘南ひらつか織り姫 城 麻美子(じょう まみこ)さん
    湘南ひらつか織り姫 井上 和(いのうえ のどか)さん
司会:フリーアナウンサー 宇佐美 陽子(うさみ ようこ)さん
参加者:約65名

葉酸研修会の開催

テーマ「葉酸に関する正しい知識を学び、地域ぐるみで適正利用を推進しましょう」

 妊娠前からの葉酸サプリメント摂取は、神経管閉鎖障害(二分脊椎・無脳症等)のリスク低減のために厚労省が推奨しています。最新研究では、葉酸摂取・高ホモシステイン血症の改善が、先天奇形(神経管閉鎖障害、心奇形、口唇口蓋裂)・不育症・妊娠高血圧症候群・早産・低出生体重児・産後うつ病・児の自閉症のリスク低減に有用であることも示されています。
 さらに、血中ホモシステイン値の低下は、動脈硬化を予防し、認知症や脳梗塞のリスクを減らすことから、健康寿命延伸の点からも注目されています。
 今回は平塚市健康課と市内産科医療機関の協働による具体的な取組の様子を報告するとともに、国内屈指のサプリメント・葉酸の研究者である蒲原聖可医学博士を講師としてお迎えし、母子保健における葉酸の重要性について学びました。当日は50名を超える薬剤師・保健師・助産師・看護師・管理栄養士・看護学生・看護教員の医療専門職の皆様が参加しました。
 
  1. 報告「ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクトの効果と課題」(平塚市健康・こども部健康課 課長代理・保健師 萩尾みゆき)(PDF2.70MB)
  2. 報告「平塚市民病院助産師外来における葉酸の指導の実際」(平塚市民病院看護科産科病棟看護科長代理兼看護師長 川邊康子)
  3. 講演「母子保健における葉酸の多彩な働き:最新研究--健やかな妊娠・出産・産後・成長のために必須のビタミン--」 (健康科学大学客員教授(当時) 医学博士 蒲原聖可氏)(PDF2.94MB)
  • 講師の写真
  • 研修の様子の写真

妊婦への葉酸指導がさらに充実

  • フードモデルの写真
 平塚市子育て世代包括支援センター「ひらつかネウボラルームはぐくみ」では、専任の管理栄養士が妊婦の栄養相談を行っています。葉酸が比較的多く含まれ、調理しやすい食品のモデルも取り揃え、妊婦さんからは「分りやすい」と評判です。                                        
写真の野菜(フードモデル):ほうれん草、キャベツ、サニーレタス、ブロッコリー、枝豆、サツマイモ、しめじ、エリンギ、カボチャ、イチゴ

妊婦向けの葉酸知識を多言語化

市内に住む外国人妊婦やその関係者に対して、葉酸の正しい知識を提供するため、5言語のチラシを作成しました。英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語で、日本語が併記してあります。チラシは母子健康手帳交付時に本人に渡します。お腹の中にいる赤ちゃんの健康と、お母さんの健康のために活用してください。

【令和2年度公益財団法人かながわ国際交流財団 KIF 母子保健・子育て支援モデル事業】
妊婦向けの葉酸の知識(英語版)
(英語版イメージ)

(チラシの内容)
やさしい日本語と外国語で伝える葉酸について
―妊娠中の皆さんへ―
お腹の中にいる赤ちゃんとお母さんに必要な栄養素「葉酸」を知っていますか?
 
平塚市では「ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクト」として、健康づくりのために、妊娠する前から妊娠中・出産・産んだ後までの女の人に葉酸をとることを勧める運動を行っています。
このチラシでは、葉酸について外国人住民に向けて説明しています。
 
葉酸は細胞が正常に成長するために欠かせない大切な栄養素です。
「なぜ葉酸が必要なの」
  1. 赤ちゃんの健康のため
    葉酸はお腹の中にいる赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管をつくるために必要な栄養素です。
    妊娠1ヵ月以上前から妊娠初期にとると、赤ちゃんが障害を持って生まれるリスクを減らすことができます。
  2. お母さんの健康のため
    葉酸は血液の中にある体に悪い一部の物質を減らし、妊娠中・授乳中のお母さんの体に良い影響を与えます。
    ■妊娠中の病気(合併症)のリスクを減らします。
    ■赤ちゃんを産んだ後のお母さんの体力回復に役立ちます。
    ■産後うつになりにくくなります。
「どうやって葉酸をとればいいの」
 葉酸は、ほうれん草や枝豆、イチゴ、ブロッコリー、レバーなどの食品に多く含まれています。しかし、熱でこわれて、水に溶けてしまうので、食事で十分にとるのが難しいのです。サプリメントで効率よく体にとり入れるのがおすすめです。特に、妊娠初期は食事の他にサプリメントなどで400マイクログラムとりましょう。
 
「葉酸サプリメントはどこで買えるの?
 葉酸サプリメントは妊娠中だけでなく、授乳中もとり続ける方がよいと言われています。インターネットや薬局、ドラッグストアで買うことができます。処方箋がなくても買えますが、お薬を飲んでいる方は、お医者さんに相談してください。
 
―外国人住民の皆さんへ―
妊娠している女の人にとって、葉酸はとても大切な栄養素です。おなかの中にいる赤ちゃんの健康のために、お母さんの健康のために、ぜひ葉酸サプリメントも活用してください。

葉酸サプリメントを寄付していただきました

時期 寄付者 個数(単位:1ヶ月分)
令和2年3月 プロサッカー選手
岡本 拓也
1,000個
令和2年3月 プロサッカー選手
山田 直輝
1,000個
令和3年2月 平塚中郡薬剤師会 2,000個
令和3年11月 明治安田生命平塚支社
(寄付名称「私の地元応援基金」活用/令和2年8月受納)
2,000個

【使いみち】
  • 母子健康手帳交付時の葉酸指導
  • 「こんにちは赤ちゃん訪問」時の産後うつ予防指導
  • 婚姻届時のプレコンセプションケア指導

【参考文献】

1)蒲原聖可:不育症・早産・産後うつ病・児の自閉症を防ぐビタミンM の効果!、医学と看護社(2019年4月20日)
2)蒲原聖可:ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!、医学と看護社(2019年2月28日)
3)日本人の食事摂取基準2015年版
4)独立行政法人国民生活センター:胎児の正常な発育に役立つ「葉酸」を摂取できるとうたった健康食品、平成23年5月26日
5)厚生労働省難治性疾患克服事業・研究班 葉酸普及研究会. 令和4年3月22日確認
6)一般社団法人日本家族計画協会:健康教育広報紙「家族と健康」第771号(平成30年6月1日)、772号(平成30年7月1日)、773号(平成30年8月1日)、774号(平成30年9月1日)
7)坂戸市葉酸プロジェクト. 令和4年3月22日確認
【おことわり】
平塚市は、平成29年12月から令和3年7月まで株式会社ディーエイチシーと「健康づくりに係る連携協定」を締結していました。その間に実施した事業の資料やチラシには「DHC」の名称が入っています。

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