カーボンニュートラルを目指した波力発電関連分野での新産業創出促進事業
最終更新日 : 2024年3月27日
国内初公募となる「カーボンニュートラルをテーマにした企業版ふるさと納税(外部リンク)」にヤフー株式会社から選定され、2021年9月に寄附を受けた平塚市は、波力発電所を活用した漁業のカーボンニュートラル化を目指した様々な実証研究を進めてきました。
2022年度も引き続き寄附を受けた本事業は、2023年度も継続し、波力発電の低コスト化に向けた新型発電機の研究開発等を支援しています。
2024年度から、これまでの取組みの成果を様々な分野に拡大するため、新たに「知的対流推進事業」として研究開発等を支援していきます。
企業版ふるさと納税での支援をご検討いただける方は、産業振興課までお問い合わせください。
なお、環境省事業の海域実証を終えた平塚波力発電所は、2022年2月に撤去されております。
2022年4月、Yahoo! JAPAN SDGsのウェブサイトで、本市の取組をご紹介いただきました。「波力発電で、漁船を電動化して、海面上昇も防げ。平塚で進む地域ぐるみのチャレンジ」(外部リンク)をぜひご覧ください。
平塚波力発電所については、平塚海洋エネルギー研究会のページをご覧ください。
また、平塚波力発電所の説明動画(外部リンク)もご覧ください。
2022年度も引き続き寄附を受けた本事業は、2023年度も継続し、波力発電の低コスト化に向けた新型発電機の研究開発等を支援しています。
2024年度から、これまでの取組みの成果を様々な分野に拡大するため、新たに「知的対流推進事業」として研究開発等を支援していきます。
企業版ふるさと納税での支援をご検討いただける方は、産業振興課までお問い合わせください。
なお、環境省事業の海域実証を終えた平塚波力発電所は、2022年2月に撤去されております。
2022年4月、Yahoo! JAPAN SDGsのウェブサイトで、本市の取組をご紹介いただきました。「波力発電で、漁船を電動化して、海面上昇も防げ。平塚で進む地域ぐるみのチャレンジ」(外部リンク)をぜひご覧ください。
平塚波力発電所については、平塚海洋エネルギー研究会のページをご覧ください。
また、平塚波力発電所の説明動画(外部リンク)もご覧ください。
お知らせ
- 2023年度の成果概要を公開しました。
- 環境省の脱炭素地域づくり支援ページ内「取組事例(外部リンク)」の企業版ふるさと納税を活用した取組事例に、本市の「カーボンニュートラルを目指した波力発電関連分野での新産業創出促進事業」が掲載されました。なお、同ページの「地域脱炭素プラットフォーム(外部リンク)」にも、企業版ふるさと納税を検討されている企業向けの本市の資料が掲載されています。
- 2023年度、株式会社ウイルプラスホールディングスから、企業版ふるさと納税での寄附をいただきました。
- 2022年度の成果概要を公開しました。
- 2021年度に引き続き、2022年度もヤフー株式会社から企業版ふるさと納税での寄附をいただきました。このことについて、記者発表資料を公開しました。
2023年度の取組
2023年度は、「第 2 期平塚波力発電所に向けた技術開発、実施計画の策定」を行った株式会社e-ウェーブR&Dの共同研究を支援しました。
2023年度平塚市カーボンニュートラルを目指した波力発電関連分野での新産業創出促進事業成果概要(PDF2.4MB)
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共同研究会の写真
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2023年度波力発電第3世代発電機ベンチ試験の写真
2022年度の取組
2022年度は2021年度に引き続き、波力発電、電池推進船、ブルーカーボンの検討を進めました。
しかし、半導体不足の影響で、電池推進船の試作実験は実施できませんでした。
そのため、波力発電とブルーカーボンの取組みについて、成果概要を作成しました。
2022年度平塚市カーボンニュートラルを目指した波力発電関連分野での新産業創出促進事業成果概要:PDF3.8MB
なお、成果概要の検討事項は2022年度時点のものであり、今後の検討状況によってコンセプトの変更等がありえます。
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波力発電第3世代発電機ベンチ試験の様子
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ワカメロープ引き上げの様子
2022年度ブルーカーボンの取組
2022年度も、ヤフー株式会社の寄附を活用した藻場造成(ブルーカーボン)の取組を進めています。
平塚市漁業協同組合では、12月にワカメの幼芽をロープに取り付ける作業を行いました。
昨年度、魚による食害を受けたため、今年度は2つのタイプの食害対策を実験します。
一つは、三角柱の骨組みに網をかぶせたものです。
もう一つは、四角柱の骨組みに網をかぶせたものです。
網の中にワカメを入れることで、網の目よりも大きな魚が入らないように工夫しました。
平塚市漁業協同組合では、12月にワカメの幼芽をロープに取り付ける作業を行いました。
昨年度、魚による食害を受けたため、今年度は2つのタイプの食害対策を実験します。
一つは、三角柱の骨組みに網をかぶせたものです。
もう一つは、四角柱の骨組みに網をかぶせたものです。
網の中にワカメを入れることで、網の目よりも大きな魚が入らないように工夫しました。
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12月のワカメの写真
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食害対策四角錐の中のワカメの写真
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食害対策四角柱の中のワカメの写真
2022年度のワカメの種付けは、漁業者のみならず、親子連れの協力をえました。
作業の様子は、平塚市漁業協同組合のウェブページをご覧ください。
作業の様子は、平塚市漁業協同組合のウェブページをご覧ください。
1月26日木曜日 定置網へワカメロープを設置
一か月ほど平塚新港内で養生したワカメロープは、平塚沖にある日海丸の定置網へ移動しました。
ワカメは12月から3月、4月位まで急激に成長します。
この間、成長度合いを観察し、吸収した二酸化炭素量を計測します。
ワカメは12月から3月、4月位まで急激に成長します。
この間、成長度合いを観察し、吸収した二酸化炭素量を計測します。
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養生していたわかめロープを引き上げる
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わかめロープを曳航する
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新港から定置網へわかめロープを曳航する
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タワーの近くの定置網に向かいます
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定置網のブイを引き寄せる
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ブイにロープを取り付ける作業
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定置網のブイにつないだワカメロープ
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定置網のブイにワカメロープを取り付けた後
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水中撮影の様子
今後はワカメの成長を待ち、CO2吸収量を計測予定です。
作業の様子は、平塚市漁業協同組合のYouTubeでご覧いただけます。
定置網に設置したワカメの海中映像も必見です!
作業の様子は、平塚市漁業協同組合のYouTubeでご覧いただけます。
定置網に設置したワカメの海中映像も必見です!
3月8日水曜日 ワカメの成長確認
波が穏やかなタイミングを狙い、定置網に設置したワカメと港内に設置したワカメの成長確認を行いました。
平塚市漁業協同組合の作業の様子をご紹介します。
平塚市漁業協同組合の作業の様子をご紹介します。
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定置網に設置したワカメロープ
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ロープを引き上げると大きなワカメが登場
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ロープからワカメを切り離します
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近くで見るとこんな形をしています
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大きな株はだいぶ成長しました
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中には大きくならなかった株もありました
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食害にあった株もありました
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船の上でワカメの成長を確認しました
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続いて、平塚新港内に設置したワカメの確認です
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港内のワカメは、陸上からも観察できました
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港内で大きく成長したワカメ
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食害対策ネットの中のワカメはあまり成長しませんでした
2021年度、港内のワカメが食害にあったことへの対策として、魚が入らないようにネットを用意しました。2022年度は、ネットの中のワカメと、ネットがないワカメを港内に設置し、成長を比較しました。その結果、2022年度は食害があまりなく、ネットがないワカメがのびのび育ったのに対し、ネットをかぶせたワカメはあまり成長しませんでした。原因としては、ネットが日陰を作り、ワカメに十分な日光が届かながった可能性が考えられます。
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手前の茶色い生き物がワカメについていました
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港内のワカメについていたのはアメフラシの子供のようです
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港内のワカメにはカニの子供もついていました
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ワカメの重さを計量しました
ワカメのCO2吸収量はこれから計算し、今後報告予定です。
カーボンニュートラルの理想像
海の持つ可能性
温室効果ガスである二酸化炭素の排出を無くし、空気や水中の二酸化炭素濃度を減らすにはどうしたらよいでしょうか?
平塚市では、東京大学生産技術研究所や多くの企業、団体と共に、平塚海洋エネルギー研究会を開催し、波力発電の産業化を目指しています。この波力発電は、波の力を電気に変える仕組みで、発電時に燃料を燃やさないため、二酸化炭素を排出せずに電気を作り出すことができます。この電気を使って様々な作業(例えば、EVにこの電気を給電して荷物を運ぶ)を行えれば、作業に伴う二酸化炭素の排出もなくなります。
では、すでに空気や海水の中にある二酸化炭素の濃度を減らすにはどうしたらよいでしょうか?
一つの方法は、植物による光合成を増やすことです。光合成とは、簡単に説明すると、植物が太陽のエネルギーを使って、二酸化炭素と水から有機物を作り出す過程です。陸上の植物のみならず、海中の海藻なども光合成をします。海藻による二酸化炭素の分解固定は、ブルーカーボンとも呼ばれています。
平塚市では、海の持つ波のエネルギーと海藻の光合成に着目し、波力発電×電池推進船×ブルーカーボンの組合せで漁業のカーボンニュートラルを目指せないか、実験を行いました。
平塚市では、東京大学生産技術研究所や多くの企業、団体と共に、平塚海洋エネルギー研究会を開催し、波力発電の産業化を目指しています。この波力発電は、波の力を電気に変える仕組みで、発電時に燃料を燃やさないため、二酸化炭素を排出せずに電気を作り出すことができます。この電気を使って様々な作業(例えば、EVにこの電気を給電して荷物を運ぶ)を行えれば、作業に伴う二酸化炭素の排出もなくなります。
では、すでに空気や海水の中にある二酸化炭素の濃度を減らすにはどうしたらよいでしょうか?
一つの方法は、植物による光合成を増やすことです。光合成とは、簡単に説明すると、植物が太陽のエネルギーを使って、二酸化炭素と水から有機物を作り出す過程です。陸上の植物のみならず、海中の海藻なども光合成をします。海藻による二酸化炭素の分解固定は、ブルーカーボンとも呼ばれています。
平塚市では、海の持つ波のエネルギーと海藻の光合成に着目し、波力発電×電池推進船×ブルーカーボンの組合せで漁業のカーボンニュートラルを目指せないか、実験を行いました。
2021年度電池推進船の実験
2022年1月31日から2月3日まで、東京海洋大学の清水教授、川名准教授の研究室にご協力いただき、電池推進船「らいちょう1」の実験をおこないました。平塚市漁業協同組合の漁師さんに電池推進船に乗ってもらい、漁業での電池推進船の利用イメージなどについて意見交換をしました。
エンジンがなく、モーターで動く電池推進船はとても静かで、船の上での会話も楽にできました。
一方で、静かすぎてパワーを実感できないという意見が漁師さんからでました。
漁に出るときの船速については、電池推進船の実験時とほぼ同等とのことで、理論上問題はありませんでした。
今後、網を巻き上げる漁労具に必要なパワーを電池から十分にとれることを実証する等、実用化に向けていくつかの課題が見えてきました。
エンジンがなく、モーターで動く電池推進船はとても静かで、船の上での会話も楽にできました。
一方で、静かすぎてパワーを実感できないという意見が漁師さんからでました。
漁に出るときの船速については、電池推進船の実験時とほぼ同等とのことで、理論上問題はありませんでした。
今後、網を巻き上げる漁労具に必要なパワーを電池から十分にとれることを実証する等、実用化に向けていくつかの課題が見えてきました。
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出港前の電池推進船の写真
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平塚波力発電所と電池推進船の写真
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定置網と平塚沖総合実験タワーの写真
2021年度ブルーカーボンの実験
地元の潜水士によると、以前の平塚新港の防波堤には、多くの海藻がついていたそうです。しかし、今は少ししかみかけません。海藻はブロックなどにつきやすいとのことで、波力発電所周辺に海藻がつかないか実験しました。
最初に計画したアカモクという海藻は、残念ながら定着しませんでした。そこで、相模湾でもとられているワカメを増やすことに挑戦しました。
ワカメの芽の重量を測った後、ロープにとりつけ、このロープを波力発電所周辺に設置しました。比較調査をするため、沖合と平塚新港内にも設置しました。その結果、発電所周辺のワカメだけ、食害にあって成長しませんでした。
潜水士が発電所の近くで海藻を食べる大きなボラを見たとの情報を得て、どの魚がワカメを食べたのか調べるため、水中カメラに対象区で成長したワカメを取り付け、発電所周辺で撮影をしました。しかし、ワカメを食べる魚の撮影はできませんでした。
ブルーカーボンの実験は、平塚市漁業協同組合のYouTubeで動画を公開していますので、こちらもご覧ください。
最初に計画したアカモクという海藻は、残念ながら定着しませんでした。そこで、相模湾でもとられているワカメを増やすことに挑戦しました。
ワカメの芽の重量を測った後、ロープにとりつけ、このロープを波力発電所周辺に設置しました。比較調査をするため、沖合と平塚新港内にも設置しました。その結果、発電所周辺のワカメだけ、食害にあって成長しませんでした。
潜水士が発電所の近くで海藻を食べる大きなボラを見たとの情報を得て、どの魚がワカメを食べたのか調べるため、水中カメラに対象区で成長したワカメを取り付け、発電所周辺で撮影をしました。しかし、ワカメを食べる魚の撮影はできませんでした。
ブルーカーボンの実験は、平塚市漁業協同組合のYouTubeで動画を公開していますので、こちらもご覧ください。
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ワカメの計量写真
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ロープにつけたワカメの写真
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潜水士がワカメロープを発電所に設置する写真
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水中撮影の様子
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設置直後のワカメロープの写真
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食害監視カメラの写真
2021年度波力発電所による海岸保全効果のシミュレーション
波力発電所が波の力を吸収することで、海岸保全効果がでないか、シミュレーションを行いました。
この結果に基づいて、今後の平塚の波力発電所に関する意見交換会を開催しました。
実施概要
日時 2022年2月18日金曜日午後6時から7時
場所 平塚市漁業協同組合2階会議室(平塚市千石河岸28-13)(Zoomによるオンラインでも実施)
この結果に基づいて、今後の平塚の波力発電所に関する意見交換会を開催しました。
実施概要
日時 2022年2月18日金曜日午後6時から7時
場所 平塚市漁業協同組合2階会議室(平塚市千石河岸28-13)(Zoomによるオンラインでも実施)
平塚波力発電所は撤去済みです
平塚波力発電所 海域実証を終え、撤去されました
環境省の事業である平塚波力発電所の海域実証は、当初、2020年度末までの予定でしたが、コロナウイルス感染症の影響等もあり2021年度末まで延長となりました。平塚波力発電所は2022年2月に撤去されました。
見学会への多くのご参加、ありがとうございました。
なお、平塚海洋エネルギー研究会での波力発電の研究開発は続いています。
見学会への多くのご参加、ありがとうございました。
なお、平塚海洋エネルギー研究会での波力発電の研究開発は続いています。
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海面から撮影した平塚波力発電所
広報ひらつかの特集
広報ひらつか2020年10月1週号で、平塚波力発電所の特集が組まれました。
ぜひご覧ください。
ぜひご覧ください。